医王寺は、その歴史を物語る多種多様な宝物を所蔵しています。特に境内の各堂宇に安置される仏像は、年代が平安・鎌倉・江戸の各時代におよび、また、優れた造形と良好な保存状態を示すものを多く含むことから、日本彫刻史の研究においても注目されています。
絵画・工芸品についても多くの逸品を所蔵しており、なかでも中国清時代・乾隆8年(1743)に沈銓(沈南蘋)によって描かれた『封侯図』は、栃木県内に伝わる中国絵画の数少ない遺品の一つとして注目されています。
現在、仏像・絵画・工芸品・書跡など24件が栃木県の有形文化財(建造物を含めれば30件)、3件が鹿沼市の有形文化財に指定され、それらのさまざまな宝物から往時の隆盛が偲ばれます。